九九を丸暗記できた理由
年齢によって記憶の種類が変わるという話を聞いたことがありますよね。
カナダの心理学者タルビングによって提唱された記憶のシステム相関という考え方によると、人間は年齢によって記憶のシステムが変わります。
・エピソード記憶(顕在意識)
・短期記憶(顕在意識)
・意味記憶(潜在意識)
・プライミング記憶(潜在意識)
・手続き記憶(潜在記憶)
このシステムでは、下の階層であればあるほど、原始的で命の維持に必要な記憶であり、上の階層に行けば行くほど高度な内容を持つ記憶となります。
このように記憶には様々な種類があるため、年齢により覚えられる内容も異なるのです。
九九を丸暗記できた理由
私達が九九を覚えたのは、小学生10歳ぐらいまでの年齢でした。
それには理由があり、この時期、人の意味記憶は発達しているからなのです。
この時期であれば、九九の意味や論理的なことを理解しなくても、すんなり覚えることができます。
意味のない絵や文字、音などの記憶に対して絶大な記憶力を発揮するのは、10歳ぐらいまでのこの時期なのです。
絶対音感が最も優れているこの時期にピアノを習ってドレミなどの音程をインプットしたり、英語などの他言語の音を記憶することができるのです。
この記憶はスポーツと同じように、大人になり成長してからでも思い出せます。
記憶は年齢に合わせた記憶の仕方があります。
良く小さい頃丸暗記できていたことが大人になったらできなくなったと嘆く人がいますが、それは論理的に覚える能力が発達するためです。
物ごとをよく理解して理屈を覚えるようになるため、丸暗記ができなくなるに過ぎません。
むしろ大人になってからの論理的な記憶力の方が、日常生活においても有効に使えるものなのですよ。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。参考になれば幸いです!
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