東大生の記憶法
東大の教職員という立場で毎日、東大生に接している東京大学大学院薬学系研究科准教授の池谷祐二先生は著書の中で、東大生のことを次の様にみています。
ここの学生達は、確かに、厳しい受験勉強を通過してきた強者ですが、それでも天才的に頭が良いという学生はそれほどいません。
たまにいたとしても、それは例外中の例外です。
大抵の人は、一見バツグンの記憶力を誇る頭脳を持っているように見えても、それは単に記憶するコツを心得ているにすぎません。
要領よく記憶しているだけなのです。
もちろん、そのコツとは、「法則性をつかむ」こと。
そして「理解して覚える」ことにほかなりません。
過去、私の知人にも彼が所属する部署に在籍する40名以上の社員、一人ひとりの誕生日を、記憶している東大卒の社員がいました。
よく考えると、あまり意味のない事ですが、いともたやすく、誕生日を覚える姿にさすが元東大生!と感心したものです。
彼らの脳みそが天才的に優れているのではなく覚えるコツを知っているということだったのですね!
東大生の記憶法
例えば、1列に並んだ10ケタの数字を覚えるとしましょう。
その場合、東大生はそれらの間に関連性がないか、偶数や奇数がどのように並んでいるかなどの法則性をつかみ、理解して覚えることで記憶しているのです。
語呂合わせも、記憶の手段として用いられます。
語呂合わせを言葉のリズムとして目や耳から入れるだけでなく言葉が意味するものをイメージすることで記憶がより一層強くなります。
そして、それほどまでに記憶が蓄積される脳はなぜか、ブドウ糖しかエネルギー源として受け入れないのです。
その理由を、ご存知ですか?
それは、異物を受け入れないようにしているのです。
脳は、体全体の指揮命令をする司令塔としての役割を担っています。
そのため、得体の知れないものがたやすく入らない様な仕組みを自ら作っているのです。
その結果、数ある栄養素の中からブドウ糖しか吸収しません。
しかしながら、その消費量はハンパなく脳は体の中で一番エネルギーを消費し、その量は、一日の人間のエネルギー消費量の1/4~1/5を占めます。
要領よく記憶して東大生になれるのも法則性をつかみ、語呂合わせで記憶する事ができるのも、みんな脳のお陰。
その精巧さからも、異物を排除し、非常に高いエネルギーを消費する食いしん坊だという事実もうなずけますよね。
それでは、今日も、充実した1日をお過ごしください!
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