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新商品は売れない!?

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中井隆栄 1dayセミナー

あるアンケート調査で、「おふくろの味」と聞いて思い起こす料理がある人は、全体の8割を占めました。

そして思い起こす具体的な料理名トップ3は

1. 肉じゃが
2. 煮物
3. 卵焼き

肉じゃがは、やはり定番ですね。
この「おふくろの味を好む」という傾向は日本だけでなく世界中でみられるといいます。

しかし赤ん坊は母親があげるすべての食べ物を好んで食べるわけではなく、新しい物や普段食べないおかしな物に対しては、恐怖心を抱くといわれています。
この恐怖心は、新奇恐怖と呼ばれ、毒を避けるための動物の本能的な警戒行動とされているのです。
子供はよくピーマンや人参など、クセのある野菜を嫌いますがこの警戒行動の現れだと考えられます。
「おふくろの味」は、これらの新奇恐怖を乗り越えて脳に安全な味であると記憶されます。
安全な味だからこそ、より美味しく感じるのでしょう。

このように、人は古くから慣れ親しんでいるものに親しみを感じ、はじめての経験や新しいものを警戒するという傾向があります。
このことを心理学の用語で「新奇恐怖症」というのですが、詳しくは航空会社の例でみてみましょう。

新商品は売れない!?

近年、ローコストキャリア(LCC)とよばれる安いフライト料金で大量の人数を運ぶフライトや航空会社が多くお目見えしています。
知名度の高いANAやJALなどの大手航空会社のフライトに比べ、破格で安い場合もあります。
しかし、ANAやJALは信頼できるけどローコストキャリア(LCC)に乗るのはなんだか心配・・・そんな人もいらっしゃると思います。

 

それはなぜか?

 

実はここにも、既に知っているブランドの方がより安全だと思う、「おふくろの味」に似た新奇恐怖が現われているのです。
認知度が高いブランドの方がより安全だと思ってしまうのですよね。
注目すべきなのは、仮に、それらの有名な航空会社が数多くの事故を引き起こしておりLCCよりも危険であると言われた場合でも、人はLCCよりもその有名な航空会社を選ぶ傾向があるという事実なのです。

人がいかに新しいモノを受け入れ難いか認知度が如何に人の判断材料になっているのかが伺えます。
それでは、LCCのように認知度、知名度の低いブランドはどのようにしてお客さまから購入してもらえばよいのでしょうか。

結論としては、次の2つがあげられます。

1. お客さまのターゲットを絞り込むこと。

2. お客さまにできるだけ客観的な評価ができるように十分な情報と時間を与えること。

一般に、お客さまは、短時間で選択を迫られると新奇恐怖症を起こしやすいといわれているのです。
ですから、即決させる状況に追い込まず十分な情報と時間を提供して、ゆっくり時間をかけて選べる環境を整えてあげる事が大切です。

また、安い料金で利用したい学生や、アーリーアダプターと呼ばれる新しもの好きのお客さまにターゲットを絞るのも一つの方法でしょう。
そして例え認知度が低くても、特徴がはっきりしていれば認知度の低さに関わりなく、購入に結び付ける事が可能です。

 

それでは、今日も、充実した1日をお過ごしください!

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