この1球は、二度と来ない
読売巨人軍OB会会長、日本プロ野球名球会会長、現在は、福岡ソフトバンクホークス球団取締役会長の元プロ野球選手で監督の王貞治さん。
読売ジャイアンツの主軸打者として積み上げた公式戦通算本塁打数868本で、この本数はメジャーリーグのハンク・アーロンの755本バリー・ボンズの762本以上の、本塁打記録となっています。
そんな王さんが発した数々の名言のうち努力に関わるものを、一緒に拝見していきましょう。
その名言はこちらです。
努力しても報われないことがあるだろうか。
たとえ結果に結びつかなくても、努力したということが必ずや生きてくるのではないだろうか。
それでも報われないとしたら、それはまだ、努力とはいえないのではないだろうか。
この名言を発するに値する比類のない努力をされてこられたことが、ある雑誌の記事から読みとることができました。
打率も3割でいい、7回はミスしてもいいと考えると、ボールをバットの芯に結びつける力が鈍くなる。
10回中10回、全部打つぞと臨んで、打てなかった時にどうしてだと考えて、練習して、やっと3割打てるんです。
必ずしもいい結果になるとは限りません。だけど、やらないとダメなんだよね。
結果が出なかった時だけでなく、出塁して打つべき球を打てなかった時すべてをミスだと考え、それらのミスを繰り返さないための努力を続けたそうです。
この1球は、二度と来ない
本番は1試合中に4打席立って10回振れるかどうかです。
つまり10回のチャンスしか巡ってこないわけです。
その10回中1度もミスをしないために毎日素振りの練習を100本も、1000本も繰り返したと言います。1球1球に対する集中力を高める呼吸法も練習し1回の呼吸で、30回近くバットを振れるまでに。
当時その素振りの練習をしたのが、コーチだった荒川博コーチのお宅でした。
荒川道場と呼ばれるコーチの家で、毎日夜中まで素振りをする王さんを、巨人の先輩方は正座をして見つめていたと言います。
一心不乱にバットを振る王さんは、努力している人だけが触れることができるある意味、投入した域の世界に入っていたようでした。
ノーミスで10回打つために、100~1000本の素振りを毎日こなしても、やっと3割打てる結果になる時もありそれだからと、最初から7割はミスして良いと思いながら試合に挑むことはできないという、王さんの揺るぎない信念とたゆまぬ努力が見てとれます。
僕はね、「この1球は2度とこない」と思ってきたんですよ。
どんな状況でも自分の最善を尽くして、初めてプロと言えます。
言い訳はしない。それがプロです。
ミスをしない、失敗を繰り返すまいと徹底的に準備し努力を惜しまない姿こそ、プロであると改めて気付かせていただいた気がします。
それでは、2度とこない今日という日を大切に、充実した1日をお過ごしください!
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