ヒトも動物も、なぜか”赤”が勝負強い
2005年の「ネイチャー」誌に掲載されたわずか1ページの科学論文は、色が私たち人間の心理に及ぼす影響を鮮明に炙り出しています。
ターラム大学の進化人類学者ヒル博士の研究です。
その成果を一口に言い表すと、「赤色は試合の勝率を上げる」というものです。
ボクシングやレスリングなどの格闘競技では、選手のウエアやプロテクターに赤色と青色が割り当てられています。
ヒトも動物も、なぜか”赤”が勝負強い
私たち素人の考えるところでは、赤色を着用した時と青色を着用した時の勝率は同じはずです。
ところがヒル博士がアテネ・オリンピックの格闘競技四種の試合結果を詳細に調査した結果。
全ての競技について、赤の勝つ確率が高いことがわかりました。
赤の平均勝率は55%というから、青よりも10%も高い勝率になります。
「色」が行動や思考に及ぼす影響を扱う学問は「色彩心理学」と呼ばれ、赤は燃えるような情熱を、青は憂鬱を暗示する傾向は、民族を超えて普遍的であると考えられています。
確かに自然界において赤色は、血や炎に通じるものがあります。赤を特別扱いする傾向は人間だけではないようです。
サルや鳥類や魚類では、一部の体色を変えることで攻撃性を増したり、異性に強くアピールしたりする種は珍しくありません。
ヒル博士は赤色が相手を無意識のうちに威嚇し、優位に立ちやすい状況を作るのではないかと推測しています。
もしかしたら「真っ赤な顔」で怒るというのもそれなりに意味のある行動なのかもしれませんね。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。参考になれば幸いです!
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