赤はラッキーカラーではない?!
色は、私たちの心に大きな影響を及ぼすことが知られています。
ボクシングの試合では青コーナーよりも赤コーナーの方が勝率が高いことをご存知でしょうか。
理由は単純で、赤コーナーには、一般に青よりも強い選手、たとえばタイトル保持者や経験の長い者が立つからです。
ところが、英ダーラム大学のヒル博士らが、オリンピック大会でのボクシングやレスリングなどの試合を徹底的に調べ上げたところ、やはり、赤サイドの方が青サイドよりも10〜20%ほど勝率が高いことがわかりました。
赤色のユニフォームやプロテクターを身に着けると、それだけで勝機が高まるということのようです。
赤はラッキーカラーではない?!
ヒル博士らは「赤色は相手を無意識のうちに威嚇し、優位に立ちやすい状況を作るのではないか」と推測しています。
この考えに基づけば、ボクシングの勝敗データにも納得できます。
なぜなら赤いプロテクターやグラブを身につけた時、赤色がより目に入るのは、自分ではなく相手です。
つまり赤色は「パワーがみなぎるラッキー色」ではなく、相手を精神的にひるませて相対的に優位に立つ「セコい色」だったのです。
このように色が私たちの心の状態に及ぼす効果は計り知れません。
となれば、気になるのが勉強や仕事における色の効果でしょう。
IQテストで、問題内容は同じで、問題冊子の表紙だけを白色、赤色、緑色など異なる色を用いたらIQの成績はどう異なると思いますか?
おそらく多くの方は、先ほどのボクシングの例から、赤色が最も高い点数を獲得すると想像することでしょう。
実際に得られた結果は正反対で、赤色が最も点数が低かったのです。
似たようなデータとしては、名古屋大学の八田武志博士らが、パソコンのモニターの枠を赤色にすると仕事のパフォーマンスが低下することを報告しています。
しかし、赤色にもよい面はたくさんあります。
カナダのブリティッシュコロンビア大学のズー博士らの研究によれば、文章のミス探しや、説明書の重要事項を記憶するときには、むしろ赤色の方が成績は向上するようです。
赤色は心理的に回避的な傾向を生み、警戒心を高める一方で、青色は積極的で好戦的な傾向を生み出すと言います。
したがって、極度の集中力が要求されるケースでは「赤色」が、新しいデザインを考えたり、ブレインストーミングをしたりと、創造性が要求されるケースでは「青色」が成績がよいといいます。
その時々にあわせて赤、青を選んで使用できればより色の効果を効率的に取り入れることができますね。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。参考になれば幸いです!
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