なぜ脳神経細胞は増えないのか?
人間の体には60兆個の細胞があります。
そのほとんどの細胞には増殖する能力が備わっていて、およそ2〜3ヶ月で新しい細胞と入れ替わってしまいます。
髪の毛が伸びたり抜けたりすることをイメージすればわかりやすいですね。
なぜ脳神経細胞は増えないのか?
有名な例では、肝臓は手術で80%を切除してしまっても、数ヶ月後には残った肝臓の細胞が増殖して元どおりになります。
しかし、脳の神経細胞(ニューロン)には、増殖する能力がありません。
人間の体と心をつかさどる、体の中で最も大切な部分が増殖できないのは不思議ですね。
では、なぜ脳の神経細胞には増殖する能力がないのでしょうか?
答えは、人間の個性を保ち続けるためです!
神経細胞は記憶だけでなく、「考えたり」「感じたり」「想像したり」といった人間の性格や行動をつかさどっています。
その部分が順次入れ替わってしまったら、昨日のあなたと今日のあなたは別人格? ということになってしまいます。
自分が自分じゃなくなるということです!
一般に生物は、外界の環境に対応しながら生きています。
言い換えれば、「経験」を蓄えながら環境に対応して生きているのですね。
その経験を記憶する脳の神経細胞が新しく入れ替わってしまったら、経験を蓄えることができなくなってしまい、環境にも対応できません。
おそらく長い自然淘汰の中で、脳は神経細胞を増殖させず、同じ神経細胞を生涯かけて使い回すという方法を選んだのでしょう。
そして、使われていない神経細胞は死んでしまいます。
でも、安心してください。
脳神経細胞は約1000億個あるのですが、人間が意識して使うことができるのはそのうち10%にも満たないので、1日に数万個ずつ死んでいっても、実際の生活にはあまり支障はありません。
それよりも脳は大変なエネルギーを必要とするので、不要な神経細胞が死んだ方が無駄がないのです!
これが、脳神経細胞が増えない理由です。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。参考になれば幸いです!
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