36年の月日を経て
昨年、3人の日本人がノーベル物理学賞を受賞しましたね。
彼らが研究した、省エネで長持ちする青色発光ダイオード(LED)は、東京タワーやスカイツリーにも使われ今や私達の生活の一部となっています。
家庭の電気がLEDに変わったのはつい数年前のこと。
私達には長持ちする電気が出た、程度の出来事でしたが、この背後にどのような人物が汗と涙を流しどれくらいの年月、どのような苦労をしてきたのか
知ることによってまた見る目も違ってきますよね。
36年の月日を経て
様々な研究開発とその実用化までには長い年月が費やされており携わった人の人生そのものがつぎ込まれているのです。
未だ建築中であるスペイン・バルセロナのサグラダ・ファミリア(聖家族贖罪教会)はその建物のみならず建築年数といったスケールの大きさにも驚かされます。
1882年に着工し、翌年の1883年にアントニ・ガウディが主任建築家として就任しました。
1926年にガウディが不慮の事故で亡くなってからは様々な人がその志を受け継ぎ今年で134年という月日が流れました。
未完成のままですが、生誕の門がユネスコの世界文化遺産にも登録されています。
そして一昨年、この建築物公認のアートディレクター(彫刻家)として、日本人である外尾悦郎氏が認められたのです。
彼自身がサグラダ・ファミリアと関わった年数も長く彼がバルセロナに渡ったのは、1978年のこと。
町をぶらぶらと散歩していた時に石の教会の工事現場に行きあたり一つぐらい彫らせてくれないだろうかと頼み込んだのがきっかけだったと言います。
当時、馴染みのない日本人を採用してくれたのがガウディの直弟子だった主任建築家、プーチ・ボアダ氏でした。
それから今年で37年。
36年目となる昨年、ようやく外尾氏はサグラダ・ファミリアのアートディレクターとなったのです。
36年・・・・長いですよね。
私達が目にしたり耳にしたりすることがらはその前に、すでに長い年月が費やされていることを改めて感じました。
外尾氏も、ノーベル賞受賞の3名も生涯に亘る長い年月をかけた結果が今、私達の目の前に出てきているだけのことなのですよね。
外尾氏はこう言います。
35年間の試用期間を経て、昨年、サグラダ・ファミリアが公認する、アートディレクター(彫刻家)となった。
ガウディが何を作ろうとしたのかは、ガウディを一生懸命見ていても分からない。
ガウディが見ていたもの、目指した方向を見ることで、はじめて分かる。
35年間続けられたのはサグラダ・ファミリアとガウディを心から愛しているからに違いないですね。
私も新婚旅行以来、サグラダ・ファミリアに行ってないので、また、見に行きたくなりました。
一体、どれくらい、工事は進んでいるのでしょうか?
それでは今日も、充実した1日をお過ごしくださいね。
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