自分には優しく、人には厳しく?!
「人には優しく自分には厳しく」という言葉をよく耳にします。
でも、そのような人をあまり見かけないのも事実です。
自分で一生懸命がんばり、ある程度の成功を収めると「自分ががんばった成果だ」と過大評価します。
反対に、他人が成功をおさめると、「たまたま周りの環境がよかったのだ」「恵まれていただけなのだ」と快く認めないものです。
また、自分が失敗した時も同様に「周りの環境がよくないのだ」と失敗を周りのせいにします。
しかし、他人が失敗すると「本人の力が足りないのだ」と言います。
「人には優しく自分には厳しく」と口では言いながら実際は、「自分には優しく他人には厳しく」と思える言動をとるのが人間のようです。
これは、心理学でいう、「行為者・観察者バイアス」という考え方からきています。
「行為者・観察者バイアス」とは他人の行動については、その人の内面に原因があると考えるのに対して、自分の行動についてはその原因が自分の外側にあると考える傾向のことです。
別の言い方をすると、他人の言動はその人の内的な要因に帰属させやすいのに対し自分の言動は外的な要因に帰属させやすい、ということ。
自分には優しく、人には厳しく?!
具体例で説明すると、車を運転していて自分が事故に遭うと、
「車の調子がよくなかったから」
「交差点にあるはずのミラーがなかったから」
と事故に遭った外的な要因を探し始めます。
一方で、他人が事故を起こすと
「注意力が散漫だったのだ」とか「スピードの出し過ぎだったのだ」
と他人の内部に要因を探し始めるのです。
このように、自分の過ちに対する原因の帰属と他人の過ちに対する原因の帰属が全く異なるという現象が起きてしまうのです。
自分はどうして「自分に優しく他人に厳しく」なってしまうんだろう?
とお考えのあなた、これも、心理学的に説明がつくと思えば納得がいきますよね。
人間はそもそも、そう考えるようにできているのです。
自分に優しく他人には厳しく行動してしまうのは心理学的に自然なことですが、通例に反して、人には優しく自分には厳しい行動がとれる人格になれると、すばらしいですね。
では午後からも頑張っていきましょう!
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