コミットが道を切り開く
「今から、ハワイに行きます」
仮に誰かが私にそう言ってきたとします。
向かっているのなら、あらためて口に出さなくてもいい、と私は思います。
・・・・ちょっとひねくれていますか?(笑)
実は今の例は、「コミットする」という意味の例え話です。
もし、あなたのビジネスがうまくいっていて進むべき方向が決まっているのならわざわざ口にだして言わなくてもいいのです。
口に出してあえて言うべき時とは逆に、うまくいっていない時、まったく予想がつかないそんな時だと思うのです。
方向が具体的に「ハワイ」などと決まっていないから再認識するために、ハワイと言ってみるのです。
このように、ビジネスでうまくいっていない人に「それなら、コミットしましょう」と勧めることがありますが、多くの人がたじろぎます。
コミットが道を切り開く
なんでこんな大変な時にするのか?
なぜ何も決まっていない時にコミットさせるのか?
反感を買うことも多くあります。
でも私にしてみれば、それはコミットの意味を勘違いしているとしか思えないのです。
コミットとは日本語で、決意、決断、意志表明、意味に当たりますよね。
良く似た言葉でプロミス(約束)という言葉がありますが、この2つは、決定的に違います。
10年以上前になりますが、経営難の日産を立て直したカルロス・ゴーン社長(当時)の講演会に参加した時のことです。
ゴーン氏が社長に就任して、まだ、3カ月くらいの時だったと思います。
講演の最後に
“I commit NISSAN rebuilding. If I can’t do that, I promise all directors are resigned.”
(私は、日産を立て直すことをコミット(決意)します。もし、できなかったら、経営陣全員が辞任することをプロミス(約束)します。)
と、ゴーン氏が言われた時に鳥肌がたったのを今でも覚えています。
気が付いたら、パシフィコ横浜の大ホールは、スタンディングオベーションの嵐でした。
本気のコミットは、人々を動かすんですね。
私は、この時から、コミットとプロミスを使い分けるようになりました。
ビジネスの景気が良いとき、向かっている先が見えているときにコミットとして「ハワイに行きます」などと言ってもなんの価値も力もありません。
コミットというのは、まだ先が見えない時にするからこそあの時、こう言ったんだからとあなたの支えとなるのです。
口に出して自分に言い聞かせることで先に進む勇気もわいてきますし不安や迷いが消え、自分の可能性が見えてきます。
いま、あなたのビジネスは上手くいっていますか?
もし先が見えない状態なら、あえてコミットしてみましょう。
コミットすることで、あなたの持っている力や可能性を引き出す力になるかもしれません。
では午後からもがんばっていきましょう。
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