新生ニューロンはトラウマを消去してくれる
脳の中には、ニューロン(脳神経細胞)が100億個以上あると推測されています。
ニューロンの端の部分は「シナプス」と呼ばれていて、あるニューロンのシナプスから、隣のニューロンのシナプスへ神経伝達物質が流れていくことによって、情報は伝わります。
この神経伝達物質の流れが悪くなると記憶力が落ちたり、思考力が衰えたりします。
新生ニューロンはトラウマを消去してくれる
神経伝達物質の流れが悪くなることは、すべて悪いことのように思えてしまうかもしれませんが、そうではありません。
私たちは、自分にとっての嫌な記憶も時間が経つと自然に忘れてしまっていることが多いはずです。
もし、嫌な記憶を永遠に忘れられなかったら、それはとても苦しい人生になってしまいます。
過去のトラウマが繰り返し思いだされてしまうPTSD(心的外傷後ストレス障害)の人などは、嫌な記憶を忘れられないことによって苦しんでいます。
人間にとって「忘れる」ということは、必ずしも悪い面だけではないはずです。
忘れることが必要な場合もあります。
そのため、脳のニューロンは、情報伝達量を増やす性質とともに、情報伝達量を減らして記憶を弱めるような仕組みも併せ持っているのです。
これを「ニューロンの可塑(かそ)性」と言います。
最も高い可塑性を持ったニューロンが新生ニューロンです。
新しいニューロンは、細胞自体が若々しいため、とても柔軟で、伝達する情報量を増やしたり減らしたりすることができます。
新生ニューロンが多いほど、良い情報を増幅して伝達することができますし、悪い情報を減らして伝達できる可能性が高いということになります。
本日もお読みいただき、ありがとうございました。参考になれば幸いです!
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