脳はゼロから未来を描けない
ある雑誌に、東京工業大学大学院連携教授で脳科学、脳認知学を専門とされている茂木健一郎さんのインタビュー記事が載っていました。
「未来の予想図を描く時には、どんなことに重点を置けばよいのか?」
という質問に対し、茂木さんは、次のように答えていらっしゃいました。
「脳の未来を思い描く領域は、過去を記憶して思い出す領域と非常に近い場所にあるころがわかっています。
結局、我々人間は過去の経験を組み合わせたり結びつけたりして未来を思い描くのであってゼロから未来はつくれないんです。
過去にあるものの中から、いいものとか本物を知らないとだめですね。」
この言葉からお分かりになるように人間は過去の経験や記憶と結びつけて未来を描くのですね。
過去の記憶に関連性のない未来というものは築けないものであるということがわかります。
脳はゼロから未来を描けない
私達の、過去の経験や記憶は海馬とその周辺の脳が司っていることをご存知ですか。
人の名前を覚えたり、新しい知識を覚えたりする記憶を司るのが、大脳辺縁系にある海馬とよばれる部分です。
目や耳から入った情報や、考えた抽象的なアイディアなども海馬まで情報が運ばれて記憶されていきます。
その海馬は、まず海馬自身で記憶をし、その記憶を側頭葉の下側先端に徐々に移したり、更にはその記憶を、徐々に上の方にある大脳にせり上げるように移動させていると言われています。
記憶が海馬から隣接する側頭葉に移るまでに、3週間ぐらいかかるため海馬自身が保持している3週間分の記憶は「短期記憶」とよばれ大脳に移し終えた記憶が「長期記憶は」とよばれているのです。
では、冒頭に出てきた、未来を描く領域はどこにあるのでしょう・・・?
・・・「脳の未来を思い描く領域は、過去を記憶して思い出す領域と非常に近い場所にあるころがわかっています。」
この言葉から想像できるように、私達の明るい未来を思い描く領域も海馬やその周りにある側頭葉や大脳にあるのでしょうね。
未来は過去の記憶から作られるので海馬やその周辺に蓄積されている記憶を大事にしたいものです。
では午後からも頑張ってきましょう!
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